安曇野風来亭 道楽日誌 操業日誌 戦国山城散歩 キノコ図鑑 小平漁協書籍部 自己紹介

小平漁協の通勤娯楽

1999.12.25

琵琶湖方面ではなにやら馬鹿馬鹿しい事件が起きているようですね。 「熱血ブラックバスフィッシャーマン」を名乗る者が「ブラックバスの駆除をやめないと、 バスを大量放流し、網を切り裂く」と、漁協に脅迫状を送りつけたとか。(12月17日付朝日新聞朝刊)
 また、奥只見湖でのブラックバス違法放流に端を発したのか、新潟県ではブラックバスなど外来魚の 「キャッチ&リリース」までも禁止し、違反した場合は罰則の対象とすることを決定したということです。 (12月23日付朝日新聞朝刊)
  釣りが犯罪になってしまうなんて、またまたネット上で論争が湧き起こりそうですね。


今年は釣行回数よりも山歩きの回数の方がはるかに多い年でした。 尾根筋から渓を見下ろして流れに潜む岩魚やヤマメの姿態を思い浮かべないでもなかったのですが、 とりあえずは山歩きにはまってしまった一年でした。

「 山釣りの旅 」 鈴木竿山

 つり人社 1999年 8月10日

 北アルプス、南アルプスはもとより朝日連峰、飯豊連峰、白神山地 、飛騨高地、太平山地、森吉山塊・等々、イワナを釣りながら源流を登り詰めて稜線に至る、文字通りの「山釣りの旅」 のエッセイ集。

 「釣り人は魚止めまでの遡行でよしとし、山屋は釣りや山の幸を知らない。 そんななか、渓から稜線へと遡る沢登りの過程で、イワナ釣りを堪能し、山菜、キノコ、果実と山の幸を得ることを喜びとする、 私の遊びはいったいなんだろう、と自問し続けた。」「どんな山にも竿を持ってくる奴」そして著者は釣号を「竿山」と名乗る。

 巻頭の「岩魚が越えし峠をめぐりて」は富山県側の黒部川源流の岩魚が黒部乗越を越えて岐阜県側の金木戸川・ 双六谷と行き来しているとの伝聞を確かめようとの釣行記。峠を越えるというのは一種独特の感慨があるものだが、 そこを岩魚が越えていくというのだから、山釣師ならずとも大いにロマンをかきたてられるところ。
 梓川の島々谷から徳本峠を経て上高地に至る「アルプスへの峠越」、姫川水系の小滝川に遊ぶ「縄文の浪漫香る翡翠の渓」 など、私もかって訪れたことがある渓の章はとりわけ興味深く郷愁を誘ってくれる。
 また、「菅江真澄と亀倉岩魚」 「釣瓶落としに秋はきぬ」「ふるさと山河ありて」「萩形挽歌」「諸檜の里の惜別歌」など、 江戸時代の旅人「菅江真澄」の紀行文が随所に引用されており、著者の真澄への傾倒振りと旅への拘りが伺われる。

 源流釣りの魅力を豊富な写真と簡潔な文章で紹介してくれる好著。今春病に逝った著者に合掌。

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  年末まで慌ただしい毎日が続きそうです。おそらくこれが今年の最終号ということになります。 未消化の拙い文章で釣りの本を紹介してきましたが、明年もよろしくおつき合いください。
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