安曇野風来亭 道楽日誌 操業日誌 戦国山城散歩 キノコ図鑑 小平漁協書籍部 自己紹介

小平漁協の通勤娯楽

1999.11.4

先週末は群馬の玉原高原にキノコ刈りに行ってきました。 紅葉真っ盛りのブナの森は獣の気配に満ちていて、そこかしこに残された熊の糞に驚かされました。 仲間の一人はその一週間前に同じ森で熊に出くわしたとのこと。 少々おっかなびっくりのキノコハンティングではありましたが、クリタケ、ムキタケ、ヌメリスギタケなどをそこそこ収穫し、 きのこ御飯やキノコ鍋にして秋の味覚を楽しみました。


私の野遊びが食欲から始まっているとしたら、 この人の釣りもやはり食欲からか?このところ渓流釣りの本のオンパレードだったので、 秋と食欲にことよせて「海釣り」の本を紹介。

モリさんの「釣って食べて」 盛川 宏 講談社 1400円 1995年9月16日

 「釣ったら食べなきゃ」「日本のお魚はこんなにもおいしいのに、 なぜ食べないのだろう」と、のっけからキャッチ&リリース派の釣り人の神経を逆撫でするようだが、 著者は別に議論を吹っかけているわけではない。「釣って成仏、 食べて功徳がボクの信条」を押しつけるつもりはないとにこやかに微笑む。
  「本格的にお魚釣りにのめり込んでかれこれ30年がたった。ハゼからイワナ、アユにヒラメにマダイと、 多種多様な釣りを楽しみながら、ただ釣るだけではつまらなくなり、 それをおいしく味わうことにしたら楽しみは倍増した。」 「よりおいしく、さらにおいしく味わう」ために全国各地を釣り歩き、漁師料理を訪ね歩く 「食欲の釣り師」のエッセイ集。

 秋といえばなんと言ってもサバ。 船釣りでは外道として嫌われるサバだが秋サバは別、それも自分で釣って締めたとなればまた格別。 著者もこれ以上旨いサバのおつくりはないとして、「サン、サン締め」という南房総の漁師料理を紹介している。
 「活サバを三枚におろしてたっぷりの天然塩のなかに埋めるように沈めて30分間だけ置く。 次にそれを取り出したらこんどはたっぷりの生酢のなかでその身を酢洗いして、 もう一度その酢のなかに30分間沈めて置くというもの」つまり、塩と酢で30分30分締めるので 「サン、サン締め」というわけ。釣りたてのサバでなければ作れないから釣り人ならではの秋の味覚だ。

 私も一度だけ似たような方法を試みたことがあるがその極上の旨味は今も舌に残っている。 う〜ん、そろそろ海釣りもいいなあ。

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