渓流釣りをしていると、時として気色の美しさに目を奪われて、釣りをしているのか、
沢登りをしているのか解らぬようになることがある。巨岩を越え、滝を迂回し、沢を登りつめる行為に、
魚が釣れなくともすっかり満足してしまうのだ。
いわゆる団塊世代の私にとって山への憧れは一種の麻疹のようなものだった。
中学、高校、大学と、登山の真似事のようなことをして楽しんでいた。
「山に親しみ渓を味わう」という筆者の境地にはほど遠く、ましてや釣りをしようなどという気持ちは毛頭無かった。
あの頃釣りをしていたらなあ、と思うこともあるが、ひたすら山頂を目指すだけの登山だった。
高校2年の頃、何が不満だったのか仲間と語らってわざわざ終業式の日を選んで雲の平登山に出かけ、
下山後すぐに親とともに呼び出しをくらったことがあった。
たまたま担任の先生が登山部の顧問だったこともあってか軽い説諭ですみ、
その後かえって何かと気にかけてもらった記憶がある。今年になって同窓会の会報で恩師の訃報にふれた。
そんなこんなを思い出しながら再び手にした一冊。釣りの記述は‥‥ 全く無い(^-^;
最近再び山歩きを始めた。
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