釣り人のバイブルと言われるウオールトンの「釣魚大全」。
何種類かの訳本に何度か挑戦したがいづれも途中で放棄。ツンドク本の代名詞になったかの感がある。
そんな私に再びチャンスを与えてくれたのがこの本。
「釣魚大全」の内容と真髄を分かりやすく解説‥‥と帯にはあるが、これもけっこう難解。
著者は「釣魚大全」が出版された頃の時代背景を説明、ピューリタン革命から王政復古、
名誉革命へと続く激動のなかで多くの釣り人の共感を得ていったものと解説する。
ピューリタン革命期には日曜日は安息日として釣りはもちろんあらゆるスポーツや娯楽が法律をもって禁止された。
まさにその時代に出版された。「聖書」は必ずしも魚釣りを否定していないばかりか、
4人の使徒は職漁師だったとして「釣り」を正当化しようと試みる。
不寛容なピューリタン社会へのささやかな抵抗とも思えるが、
心情的王党派のウオールトンとしては相応の覚悟をもっての出版だったのだろう。
しかし、通勤娯楽の本には不適格でついに枕もとのツンドク本の仲間入り。
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