ワールドカップをテレビで観戦しながらビール片手にフライを巻き、
休日は近くの多摩川に釣れない鮎釣りを冷やかしに行く。
体力にモノを言わせて朝討ち夜駆けで車を走らせたのは今は昔。
釣りたい!という気持ちだけはあるのですが、釣り場までの距離や天候にめげてしまう今日この頃です。
日韓共同開催のワールドカップにタイミングを合わせて発売されたかのような釣りの本。
観戦してから釣るか、釣ってから観戦するか?
「韓国の釣り」田代俊一郎 つり人社 1400円
あまりのタイミングの良さに「をいをい」とレジに運ぶのをためらうへそ曲がりな私。
ワールドカップも終わったので西日本新聞の記事をそのままご紹介しましょう。
「本紙ソウル支局の田代俊一郎記者が休みを利用して韓国全土を釣り歩いた紀行文。
ヤマメ、アユなど日本でもおなじみの魚から日本にはいないコウライケツギョなど
約30種類の魚が登場する。技術論、韓国の釣り人との交流や食文化なども取り込
み、日韓比較文化論としても読め、一般の人も楽しめる。「ヤマメ」を「生きたバ
イアグラ」と称して売る店の話など韓国の強い精力信仰の一端もうかがえる。イラ
スト、分布図、日韓釣り用語集付き。釣りから韓国をアプローチした異色の本だ。」
http://www.nishinippon.co.jp/hensyu/asia/viva-seoul/
ワールドカップの余韻が消えても書店に残っていたら購入することにして、その隣に並んでいた本に手を伸ばす。
「いい加減な釣り馬鹿の一生」 田畑豊作
文芸社
1000円 2002.7.15
無趣味なゆえにこれまでのお見合いに失敗してきたと思っている主人公。
何回目かのお見合いの席で「ご趣味は?」と問われてつい「釣りです」と答えてしまう。
これが奏功したのか結婚までこぎつける。
この一言の帳尻合わせに始めた釣りだが、すっかりのめり込んでしまい終生の趣味となる。
釣技や釣法にさしたる工夫も思い入れもなく、
ただ淡々と大物放流魚を狙い数を競っての釣り人生、「いい加減な・・・・」の由縁でもある。
最後は若い頃に大釣りをした渓で命を落とすことになるのだが著者の釣り人生を投影したような釣り小説。
タイトル通り、表紙や扉のイラストが「いい加減」で笑える。
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