渓流は本日で禁漁ですね。最後の最後はどこぞで竿を振りたいものと、気持ちだけはあ
ったのですが、昨日の休日出勤もあったりして、なんとなく家でグータラと過ごしてしま
いました。先週の三連休、故郷の山、常念岳に登って穂高の山々の展望を満喫かたがた精
力を使い果たしたのも敗因・・・・。
そんなこんなで、通勤娯楽をすっかりサボってしまいました。
長い間竿を握っていないと、竿の感覚はもちろん釣れたときの感動さえ忘れてしまいそ
う。あれこれと「釣り本」を読み重ねても、生半可なことではあの感触は甦るものではあ
りません。
「読んではいけない毛バリ釣りの真実」
石垣尚男 人間社 1600円 2000.4.13
一度はまったら止められないテンカラ釣りの魅力を様々な角度から語る。一度読んだら
テンカラ釣りの魔力からは逃れられないということだろう。だが、どれもいずれの釣りに
もありがちな理由であって、いまいち説得力に欠ける。
だが、ピピピーンと来たのがこの一文。
言葉ではいいつくせない予感が背筋を走り、
やがて全身を覆っていく。右手が合わせの体勢に入った。
それは一瞬の間であった。黒い影が水底でユラッと動いたのとほぼ同時に、
水面が花火のようにバサッと炸裂し、飛び散る飛沫の中にブナ色の体側に崩れかかった
パーマークの名残を残したアマゴの全身がストップモーションで浮かんだのであった。
釣りをしたことのない人に釣りの魅力を語るのは難しい。でも一度でも釣りをしたことがあれば、
そしてそれがテンカラであったなら、魚が鈎掛かりする刹那の脳髄を貫くような生命の躍動の響きを思い起こすかもしれない。
同著者に
「テンカラ解体新書」
釣りサンデー 1400円 1997.9.5
渓流ファンの方々には長い長い禁欲?生活が始まります。くれぐれも精神に変調をきたすことのないようご自愛を。
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