安曇野風来亭 道楽日誌 操業日誌 戦国山城散歩 キノコ図鑑 小平漁協書籍部 自己紹介

小平漁協の通勤娯楽

2001.2.4

株で300万円、損をしてしまった!取引先や同業他社の株を買って手堅く楽しんでいたのですが、 ついつい話題のIT関連の株に手を出したのが運の尽き、折からの株価低迷も相まっての損失。とはいってもこれは日興証券が提供するシミュレーションゲームでの話。上手くいったら 実際に株を購入して大儲け!?などと淡い期待をいだいていたのですが、どうやら 私にはその方面の才能も無いらしい。 自信のある方は挑戦されてはいかがでしょう。


 そんな折りも折り、目に飛び込んできたのがこの本。

相場に活かす釣りの知恵「株と釣り」安田二郎 同友館 1800円 1998.9.30

 「釣りの世界」は相場で成功するためのノウハウの宝庫だ!!と断言する著者は 株式相場の世界に約40年間身を置き多数の著書を持つ証券アナリスト。古来、相場 師の釣り好きは有名で、相場の世界と釣りの世界とは本質的なところで共通性を持 っていると著者は考える。

「魚を釣ることと金儲けをすることの間には、人間の本能を刺激する共通した要素があるらしい。 恐らく籤を引き当てる以上の知恵の使い道があると <ころが魅力なのだ。相場も釣りも創意や努力に関係がなければ、 これほど多くの人々を引きつけまい。工夫の余地が騙しではなく、技であるからこそ趣味道楽が文化になるのかもしれないが、 魚どもにとっては永遠の不幸には違いがない。」

また、アイザック・ウオルトンや、 フランク・ソーヤー、ノーマン・マクリーン、 そして山本素石や開高健をはじめとする著名な釣り師が、もし株式投資をしたらど んな勝負をしただろうかとの推論が面白い。

釣りと相場の共通性を語りながら、釣りや釣り師への深い洞察に基づいた警句と暗示的助言満載の好著。  惜しむらくは本書のタイトル。「株と釣り」ではいかにも下世話的で実利イメー ジが強すぎて、「哲学と瞑想」を好む釣り師にはちと敬遠されるのでは?もっとも、 投資家には釣り竿を握らせて心安らぐよい機会を提供することだろう。

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