1930年大阪生まれ。少年時代は近所の池や川で魚や虫を追い回して過ごす。
釣りを覚えたのはこの頃。54年寿屋(現サントリー)宣伝部にコピーライターとして入社、「洋酒天国」
「サントリー天国」の編集に携わる。9時出社、深夜に帰宅して明け方まで小説を書くというハードな生活を続け、
57年「パニック」で作家として注目を集める。58年「裸の王様」で芥川賞受賞。64年朝日新聞特派員としてベトナムへ、
帰国後「ベトナム戦記」を発表、「ベ平連」など反戦平和運動にも参加。68年「輝ける闇」で毎日出版文化賞を受賞。
この執筆で消耗した体力を癒すためとして北海道から徳之島までの釣り旅行を試み、「私の釣魚大全」としてまとめる。
これが病みつきとなり、以後世界各地に釣り旅行に出かけることとなる。78年芥川賞選考委員となる。
79年「玉、砕ける」で川端康成文学賞を受賞。87年「耳の物語」で日本文学大賞受賞。
89年12月9日食道腫瘍に肺炎を併発して永眠。享年58歳。コピーライター、小説家、ルポライター、
反戦平和活動、ナチュラリストと、いくつもの顔を見せながら激動の時代「昭和」を悠々と駆け抜けた偉大な巨匠。
最後の釣りはスコットランドでのフライフィッシングだった。それまでの釣り紀行のほとんどがルアーフィッシングだっただけに、
フライフィッシングで新境地が展開されただろうに、巨匠の死が惜しまれてならない。この敬愛すべき饒舌な釣師に「合掌」。
1940年頃 小学校3年生頃、近所の池や川で魚釣りを覚える。 |
1968年 北海道から徳之島へ、「私の釣魚大全」の釣り旅行。 |
1969年 アラスカ、ヨーロッパ、中東を巡る「フィッシュオン」の旅にでる。このときに西ドイツで出会ったのが生涯没頭し熱中したルアーフィッシングだった。
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1970年 この夏、新潟の銀山平に籠る。 |
1977年 「オーパ!」取材のブラジル釣り旅行 |
1979年 南北アメリカ大陸縦断旅行開始。オタワで30ポンドのマスキー |
1982年 ベーリング海へハリバット釣りで「オーパ!オーパ!!」 |
1983年 カリフォルニアからカナダへ、チョウザメ釣り |
1984年 アラスカでキングサーモン60ポンドを釣る |
1985年 中米コスタリカでターポン釣り |
1986年 モンゴルへイトウ釣り |
1987年 再びモンゴルへイトウ釣り |
1989年 スコットランドでフライフィッシング |
釣り関係書籍
1969 | 「私の釣魚大全」 | 文芸春秋社 |
1974.8 | 「フィッシュ・オン」 | (新潮文庫) |
1978.8 | 「私の釣魚大全」 | (文春文庫) |
1978.11 | 「オーパ!」 | 集英社 |
1981.3 | 「オーパ!」 | 集英社文庫 |
1981.9 | 「南北両アメリカ大陸縦断記・北米篇,南米篇」 | 朝日新聞社 |
1985.10 | 「釣り人語らず」 | (潮文庫) |
1987.2 | 「王様(キング)と私―オーパ、オーパ!!アラスカ至上篇」 | 集英社 |
1987.4 | 「香魚百態」宮地伝三郎;山本素石共編 | 筑摩書房 |
1987.4 | 「山女魚百態」宮地伝三郎;山本素石共編 | 筑摩書房 |
1987.5 | 「岩魚百態」宮地伝三郎;山本素石共編 | 筑摩書房 |
1987.11 | 「宝石の歌―オーパ、オーパ!!コスタリカ篇スリランカ篇」 | 集英社 |
1988.3 | 「渓流道具づくし」山本素石共編 | 筑摩書房 |
1988.4 | 「渓流味づくし」山本素石共編 | 筑摩書房 |
1988.7 | 「渓流魚づくし」山本素石共編 | 筑摩書房 |
1989.4 | 「国境の南―オーパ、オーパ!!モンゴル・中国篇」 | 集英社 |
1990.11 | 「オーパ、オーパ!!」〈アラスカ篇 カナダ・カリフォルニア篇> | (集英社文庫) |
1990.12 | 「オーパ、オーパ!!」〈アラスカ至上篇 コスタリカ篇〉 | (集英社文庫) |
1991.1 | 「オーパ、オーパ!!」〈モンゴル・中国篇・スリランカ篇〉 | (集英社文庫) |
1991.9 | 「雨の日の釣師のために―釣文学35の傑作」開高健編 | TBSブリタニカ |
「私の釣魚大全」 文春文庫
「フィッシュオン」 新潮文庫
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